
人は便利や快適を求める生き物です。
テクノロジーが発展したのも「便利」を追求したからだと思います。
ただ、便利を求めすぎた生活は身体には何らかの負荷をかけてしまいます。
今回はクーラーや冷房が身体に及ぼす影響とそれとどうやってうまく付き合っていくについてお話しさせていただきます。
(これは医学的な定義ではなく、私が自然を観察し、人に触れ続けてきた中で生まれた、一人のセラピストとしての考えです。)
クーラーや冷房の冷たい空気が身体に及ぼす影響(頭痛や熱中症や体調不良)
身体は本来、自動冷却機能が備わっています。
それは発汗です。
暑いと皮膚の毛穴が開いて汗が出やすくなります。
汗をかくとその汗は蒸発します。
蒸発する過程で、身体にこもっている熱も一緒に出ていくので身体は少しづつ涼んでいきます。

汗が多ければ多いほど涼みやすいです。
しかし、冷房が効いている部屋ではどうでしょうか。

冷たい空気が長時間身体に当たり続けると、身体は「十分冷えている」と判断しやすくなり、発汗しにくくなることがあります。
本来であれば汗として外へ逃げるはずだった熱が身体の中に残り、頭が熱く感じたり、ぼーっとしたり、だるさや頭痛のような不調につながることがあります。
私自身は、熱中症を「身体が暑さを感じられないこと」ではなく、
身体が必要なタイミングで発汗や体温調節を十分に行えなくなることも一つの背景にあるのではないかと考えています。
もちろん熱中症には脱水や高温環境など様々な要因がありますが、普段から身体の感覚が鈍くなっていることも影響しているように感じています。
これがなぜ起きるのか?
クーラーや冷房の使いすぎや、暑い外と冷えた部屋との頻繁な行き来によるものだと感じています。
例えば:
夏の都会は外出すると外は炎天下、そしてデパートや建物の中に入ると冷房がガンガン効いている。
常にビルを出入りしていると暑いのか、寒いのか、身体が分からなくなり、発汗をせず、身体の熱が逃げられない状態になったりします。
また、ずっと冷房の中にいても、身体の中で熱がこもっていれば毛穴が閉じていて発汗ができないので熱がこもってしまいます。
クーラーは皮膚表面を冷やすことは得意ですが、身体が本来持つ体温調節機能そのものを代わりに行うわけではありません。
また、身体の深部が冷えるためには皮膚や手のひら、足の裏がある程度温かくないといけません。
クーラーや冷房との上手な付き合い方3選
テクノロジーが悪いわけではなく、どのように付き合っていくかが大事です。
セラピストとして、どのようにクーラーや冷房とうまく付き合っていくかお伝えします。
1) クーラーで部屋を涼しくしたら電源を切り、扇風機を使う
最近のアパートや家は石油系の壁材が多いため、熱が部屋に篭りやすくなります。
部屋がとても暑くなる場合は、まずはクーラーで部屋を涼しくし、その間は別の部屋にいたり、外出をしていても構いません。
そしてある程度冷えたら冷房は消し、そこから扇風機に切り替えます。
エアサーキュレーターみたいなものでもいいと思います。
これをすることで涼しさは保たれ、手や足は冷えすぎることはないので、発汗も必要であればしやすいような状態になります。
ずっと冷房をつけっぱなしにするのではなく、「部屋を冷やすために使う」という意識に変えるだけでも身体への負担は変わってきます。
2) タオルを濡らして首にかける

発汗しにくい方にとってこれは特に有効です。
クーラーや冷房を切ってから扇風機に切り替え、タオルを濡らして首にかけておくと湿った首から身体にこもった熱が出て行きやすくなります。
濡れたタオルの水分が蒸発する時に熱も一緒に逃げていくため、身体にこもった熱を外へ逃がしやすくなります。
これは部屋にいても、外出していてもとても便利です。
タオルを濡らすことが鍵です。
また、足首や手首も濡らしておくとこもっていた熱が出て行きやすくなります。
3) お風呂に浸かって汗をかく(水風呂に浸かる)
逆効果ではないかと思われがちですが、実は水に浸かっている時点で身体にこもっている熱は出やすくなります。
そしてお風呂の場合、深部温度(身体の芯の温度)が一旦上昇し、おふろから上がると汗をたくさんかくのでこもっていた熱がどんどん出やすくなり、深部温度が下がりやすくなります。
お風呂から上がった後は、しっかり水分補給を行うことも忘れないようにしてください。
汗をかかない人ほど夏バテしやすい理由
夏になると、
「毎年夏バテをする」
「頭がぼーっとする」
「身体がだるい」
「食欲がなくなる」
そんな方は少なくありません。
もちろん、その原因は一つではありません。
睡眠不足や栄養不足、水分不足など様々な要因があります。
ただ、私が人の身体に触れ続けてきた中で感じるのは、「汗をかける身体」かどうかも、とても大切な要素だということです。
人間の身体は、暑くなれば汗をかき、熱を外へ逃がすという、とても優れた仕組みを持っています。
ところが、その働きを使う機会が少なくなると、身体は少しずつその感覚を忘れてしまうように感じます。
例えば、
・普段から汗をかかない
汗をかく機会が少ないと、身体は熱を外へ逃がす経験そのものが減っていきます。
すると、暑さを感じても熱を身体の中にため込みやすくなり、夏の不調につながることがあります。
・一日中冷房の中で過ごす
冷房はとても便利です。
しかし、一日中冷えた空間にいると、身体は自分で体温を調整する機会が少なくなります。
だからこそ、冷房を使いながらも、少し汗をかく時間を生活の中に取り入れることが大切だと私は考えています。
・運動不足
筋肉は身体のポンプのような役割をしています。
歩いたり、しゃがんだり、身体を動かすことで血液や体液は巡りやすくなります。
すると代謝も上がり、自然と汗をかきやすい身体へ近づいていきます。
激しい運動をする必要はありません。
毎日少し歩くだけでも十分だと思います。
・シャワーだけで済ませる生活
夏になると、お風呂は暑いからシャワーだけという方も多いと思います。
もちろんシャワーが悪いわけではありません。
ただ、お風呂にゆっくり浸かると身体の芯まで温まり、その後に自然と汗をかきやすくなります。
その繰り返しが、汗をかける身体を育てる一つの習慣になると私は感じています。
汗をかく身体が理想
汗をかくことは、身体にこもった熱を逃がすだけではありません。
身体に溜まった老廃物を出してくれるという大事な役割も持っています。
汗をかける身体は、それだけ身体が環境に合わせて調整できているという一つのサインでもあります。
便利な時代だからこそ、あえて汗をかく時間を生活の中につくる。
そんな小さな習慣が、夏を心地よく過ごす身体づくりにつながると私は感じています。
もし、汗をかくのが難しい場合、汗をかくことを促してみる生活習慣を取り入れてみることはとても良いと思います。
例えば:
- 毎日お風呂に浸かり、汗をかく
- 歩く(炎天下の中ではなく、もう少し涼しい朝方とか夕方に歩くだけでも代謝が上がり、汗はかきやすくなります)
- 雑巾掛けをする
- お味噌汁や身体が温かくなる料理を増やす
- 氷水など、身体を極端に冷やすものを避ける
最後に
私は、便利なものを我慢する必要はないと思っています。
クーラーも冷房も、私たちの生活をとても快適にしてくれる素晴らしい技術です。
だからこそ、大切なのは「使わないこと」ではなく、「身体が本来持っている働きも忘れないこと」。
汗をかく。
呼吸を深くする。
歩く。
お風呂に浸かる。
そんな自然な営みを少しだけ生活の中へ戻してあげるだけで、身体は少しずつ本来の感覚を思い出していくのではないかと、私は日々人に触れる中で感じています。
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