ART
一枚の絵は、完成した瞬間に終わるものではありません。
描いている時間も、
眺める時間も、
暮らしの中に飾られた時間も、
すべて作品の一部だと思っています。
心に余白をつくるような作品を、少しずつご紹介します。
作品一覧
小さな世界シリーズ (Little World)



コンセプト
私たちが「小さい」と思っている世界は、本当に小さいのでしょうか。
木の窪み。
一枚の葉の上。
水たまり。
そこには、その世界に生きる命があり、風が吹き、時間が流れています。
私たちが宇宙の中の一つの生命であるように、
その小さな世界にも、また誰かの宇宙があります。
作品には、静かに浮かぶ月を描くことがあります。
月は大きさを測るものではなく、
見る人の心に余白を与える存在です。
小さな世界を見つめることで、
自分自身もまた、大きな世界の中の一つの存在なのだと気づく。
そんな感覚を描いています。
起源シリーズ (Origin)



コンセプト
すべての形には、起源があります。
一本の線。
一枚の葉。
一本の木。
やがて森となり、
再び土へと還っていく。
このシリーズでは、
自然が持つ循環や生命の根源をテーマにしています。
渦を描く作品は、
生命の始まり、
水の流れ、
銀河、
呼吸、
そして意識の循環でもあります。
木や葉を描く作品では、
宮本武蔵が説いた「自然を師とする」という思想にも影響を受けています。
一本の木は、
森の一部であり、
森は一本の木の集まりでもある。
人もまた自然の一部であり、
自然から離れて生きることはできません。
「起源」とは過去を振り返ることではなく、
今この瞬間にも流れ続けている生命の源を見つめるシリーズです。
一点物シリーズ(One of One)



コンセプト
すべてのものは、
名前がつく前は「何者でもない存在」でした。
やがて形を持ち、
花となり、
寿司となり、
クリームソーダとなり、
私たちの日常へ溶け込んでいきます。
しかし、その姿は永遠ではありません。
朽ち、
溶け、
分解され、
やがて再び「形のないもの」へと還っていきます。
私の作品で黒い背景が多いのは、
黒を「終わりの色」としてではなく、
すべてが生まれ、すべてが還る起源として捉えているからです。
何もない黒ではなく、
あらゆる可能性を秘めた黒。
そこから現れた一つの存在を、
その瞬間だけの「一点物」として描いています。
一輪の花も、
一貫の寿司も、
一杯のクリームソーダも、
二度と同じ瞬間は訪れません。
だからこそ、
ありふれたものの中にある唯一性を見つめたい。
このシリーズは、
日常にあるものを通して、
「存在すること」そのものの美しさを描いています。
抽象画シリーズ(Abstract)
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コンセプト
私たちの心には、
目には見えない世界があります。
喜び。
怒り。
悲しみ。
楽しさ。
不安。
安らぎ。
形はなくても、
確かにそこに存在し、
絶えず生まれ、
混ざり合いながら変化し続けています。
このシリーズは、
そんな「目には見えない感情の風景」を描いた作品です。
感情には、良いも悪いもありません。
怒りがあるから大切なものを守ろうとし、
悲しみがあるから誰かを想い、
喜びがあるから人生を味わえる。
喜怒哀楽は、
人間に与えられた尊い贈り物です。
色が混ざるように、
感情もまた混ざり合い、
一つの心をつくっています。
作品を見る人それぞれが、
自分だけの景色を見つけ、
心の奥にある感情と静かに向き合う時間になれば幸いです。
万物は黒よりいでて、黒へと還る。